無痛と聞いてどんなドラマかと思いましたが、
久留米が「多少なりとも痛みを感じる方が人間らしい」と
言っていることから、痛みを感じない人間らしくない
人間とか社会とかを皮肉っているようです。

一家惨殺の猟奇殺人とか駅前で起こる
無差別殺人とか現代の社会の問題をテーマに
していくと思われます。

為頼は天才的な診察眼で他人の病気や痛みが
わかるという設定です。

それ故直せない患者の痛みに耐えられなくて
第一線から離れているのでしょう。

他人の痛みがわかってもどうしようもなかったり、
無視されたりするのはつらいことだと思います。
また、今回は無差別殺人にうまく対処しましたが、
犯罪を犯しそうな人を見ても犯罪が起きるまでは
なにもできなかったり、
早瀬のようにまるで共犯者のようにしつこくされたり
するのは耐えがたいでしょう。社会に半分絶望しながら、
それでも医者を続けて治療したり、街で症状が
ある人に声をかける人間らしい人です。

同じく天才的な診察眼をもつ白神との対比で「無痛」と
いうことを描き出していくものと思われます。

白神は痛みに関しては無関心でたくさんの患者が
痛がっていても的確に指示していましたがどっか楽しそうです。
為頼が自分自身も苦しそうな感じで救急隊に
指示していたのと対照的です。

現代の人々は為頼や白神のような診察眼を持って
いないが、もし持っていたらどちら側の態度をとるかと
いう視点で見れば面白いのではないでしょうか。